軟部外科
60匹のフィラリア摘出術
『イベルメクチン』という寄生虫薬を獣医師が発見して
(ヒト医療でも、時に使用されます)、およそ25年。
そしてそれが「フィラリア」の予防薬として、製品化されて約20年。
TVCMで放送されてから、格段に、飼い主様の予防意識が高まりまして、
今や殆どの飼い主様が予防されています。
ですので、もう『フィラリア寄生虫症』を診察する事は稀になりましたが、
年に1回位、出会います。
先日、血尿をした、との事で、来院されたワンちゃんの尿を検査すると、
このような色の尿でした。。。。。
これは、正式には、血尿ではありません。
『血色素尿』と言って、鉄分が溶出した色です。血は鉄を含んでいますので、まさに「酸化鉄=錆びた鉄」の色をします。
そして、血液検査とエコー検査によって、『フィラリア症』と診断し、1年ぶりに手術をしました。
手術です。
取り出した「フィラリア」の数:60匹!
すごく摘出出来ました!!!
が、エコーで検査すると、、、、、、
まだ、大量に心臓に残っています。。。。。。。。。
これだけ取り出すと、全部取り出せるのが普通なんですが。。。f(_ _)
そして、2日後、再手術。今度は、手術室にエコーを持ち込んで、確認しながら行いました。
33匹、さらに取り出しました。
見事、完全摘出!
先日、元気な姿で来院されました。
嬉しい事です。
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