軟部外科
【犬】膀胱結石の摘出術
結石には様々な種類があります。
今回はワンちゃんの膀胱結石摘出術の症例をご紹介します。
先日、久しぶりに参加した現地での獣医療セミナーで学んだ術式で手術を行いました。
より安全に、より素早く手術をすることができました。
膀胱結石とは?
膀胱内の尿中にできた結晶が結石を形成したものです。
または、腎結石や尿管結石が移動して膀胱に入ると、膀胱結石と呼ばれます。
<膀胱結石の症状>
・血尿
・頻尿
・腹痛 など
結石の大きさによっては、尿道に移動して尿道が詰まることがあります。
この状態を「尿道閉塞」といい、短時間で急性腎不全に陥り、放っておけば死に至ります。
<尿の結晶の種類>
・ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
最もよくみられる尿中の結晶で、細菌感染が原因となることもしばしばです。
治療(抗菌剤や療法食)により溶かすことのできる結晶です。
・シュウ酸カルシウム
療法食により溶かすことのできない結晶です。
そのため外科適応となります。
結石の大多数はストルバイト結石かシュウ酸カルシウム結石ですが、その他にも、尿酸アンモニウム結石、ケイ酸塩結石、シスチン結石などがあります。
今回の症例は膀胱内に小さな結石が50個以上あることから、外科で摘出することになりました。
※手術中の写真があるためご注意ください。予めご了承いただいた場合のみお進みください。
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腹部を切開して膀胱を体外に露出します。
膀胱を切開して結石を取り出します。
結石の取り残しがないように、膀胱~尿道を洗浄しています。
膀胱を縫合して手術終了です。
カテゴリ|軟部外科
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