【犬】陰睾(潜在精巣)手術 ~精巣腫瘍のリスクを下げるため~

犬の精巣は出生時には腹腔内に深く潜在しています。

通常、生後約30日くらいで精巣が陰嚢内に降りてきます。

 

しかし、片側または両側の精巣が陰嚢内に下降しないで、腹腔内または鼠径部(股関節のあたり)に留まってしまうことを陰睾(潜在精巣)といいます。

 

この降りてこない睾丸の腫瘍発生率は正常な睾丸の10倍以上といわれています。

正常では精巣は体温より2℃低いとされていますが、精巣が陰嚢内に降りずに体内に停留して高温状態にあることで精巣腫瘍の発生率が高くなります。

 

遅くとも生後8ヶ月前後までに降りていない場合は、その後も降りる可能性が低いと考えられていますので、睾丸を摘出する去勢手術をオススメしています。

 

 当院では手術をする前に、睾丸の位置を正確に知るためにCT検査を実施することがあります。

 

今回の子は8カ月のコーギーちゃん。

 

以下はCT画像です。

どこに睾丸があるでしょうか?

(本来は黄色の丸で囲んだペニスあたりにあります)

 

正解は、以下赤丸で囲んだところに睾丸がありました。

ここまで深い位置に睾丸があるのは珍しいです。

 

※手術中の写真があるためご注意ください。予めご了承いただいた場合のみお進みください。

当日、術中の写真を取れなかったため別の子の陰睾手術の写真です。

 

睾丸の位置が正確にわかった状態で手術をすることで、切開部位を最小限に抑えることが可能です。

 

たかが陰睾と思わず、腫瘍リスクを下げるためにも動物病院にご相談下さい。

 

当院の去勢手術についてはコチラ

カテゴリ|軟部外科

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