バークレー便り
グゴゴォ、ガゴゴォ!熱帯夜の夜に大きないびきが鳴り響く!
そう、発生源は隣のお父さん…ではなくお父さんより愛するワンちゃん。
はじめまして、携帯をなくししょんぼりなお盆を過ごしている徳岡です。
夏といえば熱中症!をネタにしようかとも思ったのですが、熱中症⇒呼吸困難がある短頭種におこりやすい⇒フレンチブルドッグ!ということで、今回は短頭種気道症候群について少し。
短頭種気道症候群は、外鼻孔狭窄、軟口蓋過長、喉頭小嚢外反など様々な病気のことをいい、多くはこれらのうち複数が併発してきます。
たとえば外鼻孔狭窄。どんなもんや?と思われる方は、鼻のあながコンセントのさし口のようになっている子を想像してください。
鼻は動物の呼吸抵抗の70%を占めているといわれています。この呼吸の楽さ、にかかわる大事な部分がぺっちゃんこ。かなりしんどそうですよね。
人で考えるなら、慢性鼻炎で鼻づまり。そう、毎年やってくる嫌なあいつ…花粉症…どれだけ呼吸が大変か想像いただけたでしょうか?
これらのほかにも上記の疾患を併発することによってガーガーグーグーといった呼吸をし、ひどいと呼吸困難をおこして倒れることがあります。
とくにこの時期には熱中症。ワンちゃんは体の熱調整の大部分を呼吸で行っています。呼吸が上手くできないこの子たちは熱がたまりやすく、熱中症にもなりやすいんですね。
それではここで少しだけデータをご紹介。
海外のイングリッシュブルドッグ(一般的なブルドッグ)を研究した論文では短頭種気道症候群をもつ犬が4歳を超えると突然死の確率が普通の犬に比べ高くなると報告されています。
そのほかにも、短頭種気道症候群に対して手術を行ったところ、慢性的な消化器症状が治ったという報告もあります。呼吸困難が体に負担を与え、他の部分にまで影響があるのかもしれませんね。
多くは治すために手術を行いますが、フレンチブルドッグは麻酔リスクが高い、とおっしゃられる方をよく見かけます。
これは、おそらく半分正解で半分はずれ。
短頭種気道症候群をもっていて気道への負担や疲労が多い子は、麻酔覚醒時の気管へ入れていた管を抜くときに呼吸ができなくなる確率が高くなります。
短頭種気道症候群のない子はおそらくそこまで呼吸ができなくなるリスクというのはないでしょう。
多くの場合は慎重に覚醒させることで回避できます。ひとつだけいえるのは、短頭種気道症候群をほっておいて歳をとってから手術が必要!となった時が怖いわけですね。
少し長くなりましたが、飼っておられるワンちゃんが、
寝ているとき以外でも呼吸がガーガーいっている
他の子と比べて疲れやすい
興奮して呼吸が早くなると舌が青くなる
のような症状があるようでしたらお気軽にご相談ください。
追記 現在当院では予約優先性となっております。
そのため定期的に診察させていただいてる患者様でもお待たせしてしまうこともありますので、
なんてことない診察でも来院される前にお電話いただけるとスムーズに診察を行うことができると思いますのでよろしくお願いいたします。
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