バークレー便り
ぽかぽかの春がやってくる時期から蚊が出てきます。
フィラリア症はワンちゃんでは有名な病気ですが、実は猫ちゃんも感染します。
フィラリア症とは、フィラリアと呼ばれる寄生虫が蚊を経由し、
猫ちゃんの肺動脈や心臓に感染する病気です。
発生報告のあった地域
フィラリア症は一昔前までは、猫には感染しないとされていました。
しかし近年感染報告が増えています。
フィラリア症は感染確認が難しいため、これは氷山の一角にすぎません。
10頭に1頭がフィラリアに感染しているという報告もあります。
私たちの知らないところで、フィラリア症に苦しんでいる猫ちゃんがいるかもしれないのです。
☟感染報告マップ
https://www.nekomamo.com/parasite/filaria/warning/
フィラリア感染時の症状
猫ちゃんの場合、
フィラリアに感染したとしても他の病気と誤認されやすい上、
診断が難しいため見逃されて突然死することもあります。
フィラリアの幼虫が肺の血管に到達すると、
幼虫に対して異物反応(免疫反応)を起こすことで症状が出ます。
肺の血管や肺の組織に炎症が起きるので、
・咳が出る
・呼吸が速くなる
・呼吸困難を引き起こす
などの症状が出ます。
その他にも
・嘔吐
・元気がない
・食欲がない
・体重が減る
などの症状が見られます。
ただし、ワンちゃんは血液検査でフィラリア症にかかっているかどうかがわかりますが、
猫はちゃんは寄生している虫の数が少ないため、感染していても検出できない場合が多いのが現状です。
また、胸のレントゲンを撮ったとしても、
肺炎や喘息に似た異常が見られることがありますが、
フィラリア症と断定できるわけではありません。
このことが、早期発見や治療を難しくしている要因の一つにもなっています。
感染後の治療ではなく予防を!
先ほどもお伝えしたように、
猫ちゃんがフィラリアに感染しているかの判断は非常に難しく、
感染する前の確実な予防が重要です。
フィラリア症は、
5~12月に月1回スポット薬を首に垂らすだけで簡単に予防することが可能です。
「室内飼育なら予防しなくても大丈夫?」という質問を受けることがあります。
100%蚊に刺されないのであれば大丈夫です。
しかし、日本は気温が高く湿気も高めなので、室内飼育でも安全ではありません。
過去に5階に住んでいる猫ちゃんでもフィラリア症にかかったというケースがありました。
そう考えると室内飼いの猫ちゃんにもしっかりと予防をしてあげてください!
不明な点はご来院時に当院スタッフまでお尋ねください。