画像診断
脾臓ガン早期発見〜〜2013.06.23の記事より。
2013.06.23に書き込んだ記事を再記載します。
『脾臓ガンの早期発見に、CT・エコーが活躍します。
月に2〜3例は、脾臓癌の破裂による急性腹腔内出血により、
「急にぐったりして倒れた。」「突然、食べなくなって嘔吐した」といった症状で、来院されます。
(それ程、『脾臓癌』は多い症例です。ワンちゃんに特に多いので、その原因を世界中の獣医師が研究中で、
特に、「これが原因」とはまだ解っていませんが、いくらか説はあります。
とにかく多い症例です。『乳癌』もすごく多いのですが、目で見えるので・・)
その時は、診察を投げ出しても、直ちに、手術執刀に入ります。
中々、「ワンちゃん」は強くて、そんな劇症でも、4〜5日の入院で、回復して、無事退院します。
しかし、時には、重症過ぎて、回復せず、亡くなってしまう「ワンちゃん」もいるので、
ある程度の年齢になったら、「人間ドッグ」ならぬ「ドッグドッグ」を定期的に行われる事をお薦めします。
実際の症例です。プードルのワンちゃんで、救急で来院しました。(画面1番上部の臓器が脾臓で、細い所が、通常の状態。真ん中〜左端にかけて大きく膨らんでいるのが、破裂出血を起こした腫瘍部分です。)
来院時には、貧血が通常の血の量半分よりやや上であったため、5日後、元気に退院しました。
時には、正常の1/5以下というワンちゃんもいます。それでも、手術器具がめざましい進歩をしているため、助かる事が多いです。
』
以上の事をちょうど3年前の2013.06.23に書いたのですが、
最近改めて想う事があります。
椎間板ヘルニアの検査で、遠方からお越し下さる方が多いのですが、
高齢のワンちゃんだと、偶発的に(タマタマ)ヘルニア以外に
『脾臓の腫瘍』・『胆のうの拡張』が見つかる事が非常に多いです。
腰のヘルニアの事で来院されていらっしゃるので、話が変わってしまうし、
何より、ワンちゃん本人がいたって元気で無症状。
治療法は手術以外にないのですが、いたって元気であるのを敢えて手術するべきなのか??
この半年くらいどうすべきか考えていたのですが、
症状が出ていなくても先に手術を行ってすぐに回復・退院の方が良いと思われます。
というのも突然の急性腹膜炎・腹腔出血による手術はそれ以上に難しく時間がかかり、
重症度もすごいので、手術後の回復も大変。危険度もさらにあがるという事を鑑みれば
見つかり次第手術が良いかと思われます。