整形外科
難易度な整形外科(1)
他院から転院して来られた「ミニチュア・ピンシャー」です。
起立不能で、足をバタバタさせるだけです。
ドーベルマン・ボクサー・そしてこのミニピンに稀に発症する『ウォーブラー症候群』と仮診断をしました。
(従来までなら、ここから内服・リハビリ治療だけだったかもしれません)
そこでCT撮影を行いました。
頸椎の6番目と7番目が狭窄し、脊髄内に石灰物質も飛び出しています。
CTではここまで解るんです〜〜♪ 先の「ウォブラー症候群」でも最も起こし易い6番目と7番目です。
この画像結果より、「ウォブラー症候群」と決定し、外科手術を行う事にしました。
手術の目的と意味
1)飛び出した椎間板物質を取り出す
2)狭窄部を解放して広げる →これにより圧迫され緊張拘束している神経を開放する
病変部をドリルで孔を空け、確保します。
まず、飛び出している物質を摘出。
そして、広げた空間を確保して、「医療用セメント」で固めます。
(この時、神経に引っ付いてしまわないよう注意が必要です)
出来上がり図です。(骨の下に白く写っているのがセメントです)
圧迫が開放され、脊椎の狭窄は和らぎ、飛び出した物質も摘出されています。
手術の目的は達成されました。
現在、術後2ヶ月。
元の病院様のお話では、歩くのはおぼつかないが、きちんと起立出来ているそうです。
これも、当院を信頼し、手術を受諾して下さった患者様のお陰であります。
ありがたい事です。