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【猫】1歳猫の横隔膜ヘルニア ~去勢手術の術前検査で発見!~
先日、猫ちゃんの横隔膜ヘルニアの手術を実施しました。
去勢手術を希望して来院された猫ちゃん。
当院では手術をする前に術前検査をして、健康状態を把握しています。
・たまに開口呼吸をしているという主訴があったこと
・レントゲン結果で心臓が通常よりも大きく映っていたこと
から、何かしらの異常が疑われたため、CT検査を実施。
☟CT画像
この画像だと良く分からないと思うので☟画像をご覧ください。
緑で囲んだ臓器が心臓、赤で囲んだ臓器が肝臓です。
横隔膜に穴が開いていることで、肝臓が心臓側に突出してしまっている状態でした。
これが原因で、レントゲン画像では心臓が拡大しているように見えていました。
1歳の子なので、先天性の横隔膜ヘルニアではないかと思われます。
症状はヘルニアの程度により様々です。
全く症状が出ずに過ごせる子もいれば、
・若い頃から食が細く発育が遅い
・断続的な吐き気や下痢などの消化器症状がある
・食後や運動後に呼吸が速く疲れやすい
などの症状が見られる子も少なくありません。
今回の猫ちゃんは開口呼吸がみられることから、今後悪化する可能性も否定できないため、手術を実施することになりました。
※手術中の写真があるためご注意ください。予めご了承いただいた場合のみお進みください。
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腹側を開いています。
白い組織は脂肪、赤い臓器は肝臓。
横隔膜に3cmほどの穴が開いています。
穴を縫うのではなく、医療用メッシュを使って塞いでいきます。
縫うよりも身体に負担なく行えます。
医療用メッシュを大網膜という臓器で覆うことで、時間が経つにつれて穴自体が塞がっていきます。
☟画像だと、開腹部位の右下に少し映っている白い臓器が大網膜です。
猫ちゃんは現在も入院中で、数日後に退院予定です。