犬の扁平上皮癌における「下顎骨切除術」

「よだれがひどい」という主訴で来院いただいたワンちゃん。

口腔内が壊死していたためレントゲンを撮ってみたところ、下顎の骨が溶けていました。

 

腫瘍を疑い、病理検査をしてみたところ「扁平上皮癌」でした。

口にできた腫瘍が骨まで浸潤してしまっていたため、下顎切除術を行うことになりました。

 

※手術中の写真があるためご注意ください。予めご了承いただいた場合のみお進みください。

手術部位にアプローチする前に、下顎切除で多量の出血が予想されることから、まずは出血量を抑えるために頸動脈を縛る処置を行いました。

頸動脈を糸で縛っています。

その際には神経などを誤って縛らないように細心の注意を払っています。

 

頸動脈を縛ると脳へ血液がいかなくなるのでは?と思われますが、脳に血液を運ぶ血管には「頸動脈」の他に「椎骨動脈」があります。

頸動脈を縛っても脳に血液がいかなくなるということはありません。

 

もちろん脳への血液量が少なくなるためリスクがないとは言えませんが、頸動脈を縛らないで手術することによる出血多量のリスクと比べて、今回は頸動脈を縛ってからの手術となりました。

 

下顎切除と言っても、切除範囲によって難易度は大きく変わってきます。

今回は腫瘍範囲が大きかったため、以下図の【E】完全半側下顎骨切除を行いました。

 

切除前

 

切除中

 

切除後

 

術後

 

術後の写真を見てもらうとわかりますが、切除した側を「おちょぼ口」になるように縫い合わせています。

下顎を切除した側から舌が突出したままになるのを防ぐため、このように口唇形成術を行います。

 

当院の腫瘍科についてはコチラから

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