バークレー便り

獣医師 徳岡徹也 自己紹介はこちら

DR.Tのひとり言④

2014/11/14(金) いぬ

月日が経つのは早いものでかなり久しぶりの登場です。

以前のバークレー便りでどこまで読まれているのか反応がわからない、なんて書いていましたが先日普段診察させていただいている方から反応が!?

なんとかわいいフレンチブルドッグの写真付きマグカップを頂いてしまいました!休日の至福の一杯、で大事に使わさせていただいてます。ありがとう、舞羽ちゃん!

フレンチブルドッグ好きと書いてはいますが、犬か猫かといえば、実は猫派な私…

以前勤務していた病院は診察の半分以上が猫、猫しか来ない日もあるようなところだったので(これはこれで特殊かも…)、

こちらに移ってから猫の診察の少なさに衝撃を受けてました。病院によって違うんだなぁと。が、最近少しずつにゃんこの診察も増え可愛いにゃんこが来るたびニヤニヤしてます。

 

さてさて、ここ最近の診察で気になっていることを一つ…

みなさん、ワンちゃんの眼が白くなってきた⇒年のせいかなぁ⇒白内障!と決めつけてはいませんか?

ですが、眼が白くなってきた=白内障とは限らないんです。

ご家族が、眼が白くなってきて白内障が心配なんです…と診察させていただくことは少なくないですが、その多くは眼の中のレンズの加齢性変化である核硬化症のほうが多いように感じます。

みなさんが眼科にかかられるとき、どういった部屋で診察を受けられていますか?

おそらく暗い部屋で、先生の後ろに赤と緑のランプが光ってて、あごを乗せて下さいね~って言われる機械が置いてある、そんな部屋に入りますよね。

 これは動物も同じで、薄暗い部屋で眼科用のライト(用途によって何種類かあります)を使って診察します。

明るい部屋で肉眼で動物の眼をのぞきこんでわかる病気もありますが、

白内障に限って言えば、肉眼で明らかにわかる白内障はそこそこ進行しており、白内障の進行を抑える、という点眼の意味はないんじゃないかと考えています。

本来は、瞳孔をひらかせる目薬を使用した上で、わたしたちが眼科でされる、「赤いランプ見て~、次緑のランプ~」のときに先生が持っているまぶしいライト、あれで見ないと分かりません。

 レンズをキラっと光らせないと、初期の白内障と核硬化症の判断が出来ないのです。

最近、白内障と違うよーとお話しさせていただくことが多いのですが、今年に入ってあまりにも続いたため、一時自分の診断に不安をおぼえるくらいでした。

病気の子を病気と診断するより、病気じゃない子を問題ないよ~と診断するほうが難しいんですよ、実際…

ただ、思っているより多くのワンちゃんが白内障という思い込み?をされているんじゃないかなぁと感じています。

今、点眼を続けられているワンちゃんは、暗い部屋で診断されましたか?

白内障について詳しく書いてみてもいいのですが、眼科専門医ではないのでこの辺で。

 

 油断してたら、食欲の秋!で体重が増えちゃいましたが、獣医療は勉強の秋!ここしばらく学会、セミナーに参加してなかったのでちょっと気合いの入れなおし、です。

明日明後日とお休みいただいて、ちょっくら大きな大会へ。

久しぶりだと知恵熱出そうですが、はてさてどうなることやら…

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