バークレー便り

院長 山本晃輝 自己紹介はこちら

【院内セミナー】間葉系幹細胞を用いた犬の椎間板ヘルニアの治療薬

2023/02/04(土) 院内セミナー

先日、世界初の「間葉系幹細胞を用いた犬の椎間板ヘルニアの治療薬」の院内セミナーを受講しました。

 

犬の椎間板ヘルニアの治療薬セミナー

■日時:2023年1月 診療終了後

■会場:病院内

■内容:間葉系幹細胞を用いた犬の椎間板ヘルニアの治療薬について

 

犬の椎間板ヘルニア

■椎間板とは?

脊椎(背骨)は1つ1つの短い骨が連なって形成されており、その短い骨と骨の間でクッションの役割をしているのが椎間板です。

椎間板は脊椎にかかる圧力を分散するクッションの役割があり、非常に重要なものです。 

 

 

■原因は?

老化、外傷、激しい運動、遺伝などが原因で椎間板が変性して突出し、脊椎の上にある太い神経(脊髄)を圧迫することで起こる病気です。

頚部、胸部、腰部どこにでも発症の可能性があり、痛みや麻痺といった神経症状が生じます。

 

 

■症状は?

・歩きたがらない

・背中を触ると痛がる

・ソファなどに飛び乗らなくなった

・四肢に麻痺がある

・腰が立たない

・排泄のコントロールができない

など

 

椎間板が脊髄へ圧迫を起こす場所や程度によって症状は異なり、症状の重さによってグレードを分けて考えます。

 

痛みだけの場合(グレード1)

麻痺の症状がなく、痛みだけがみられます状態であれば、軽度の椎間板ヘルニアです。

よく見られる症状としては「抱っこした時に痛みでキャンと鳴く」、「階段など段差の上り下りを嫌がる」などがあります。

 

軽度の麻痺(グレード2)

自力で立ち上がり歩くことができますが、足の力が弱くなり、足先の感覚が鈍くなっている状態です。

グレード1の症状に加えて、「歩く時にふらつく」、「足先がひっくり返る」などの症状が見られるようになります。

ヘルニアを起こしている部位によって、麻痺症状が出る場所も変わってきます。

 

重度の麻痺(グレード3~5)

麻痺が強くなり立ち上がることができなくなります。

また、足だけでなく膀胱や肛門の機能にまで影響が出るため、おしっこが出せなくなったり、ウンチを漏らしてしまうこともあります。

 

 

■治療法は?
痛みだけの場合(グレード1)

基本的には安静にすることが大事です。

悪化のきっかけを減らすため

「太っている子であれば体重を適切に管理する」

「背中を丸めるような狭い場所に長時間入れない」

「段差の上り下りは控える」

など、背骨に負担をかけないようにしましょう。

また、痛みが出ているため、鎮痛薬を使って痛みを抑えます。

 

軽度の麻痺(グレード2)

鎮痛薬で痛みを抑えることで、麻痺の症状が軽減することも多いです。

薬の治療で十分に回復しない場合は、手術を行うこともあります。

 

重度の麻痺(グレード3~5)

手術が必要になる場合が多くなります。

突出した椎間板を摘出し、脊髄の圧迫を取り除く外科手術を行います。

手術をして終わりではなく、術後管理やリハビリが非常に大切です。

 

一般的には上記治療を行っていきますが、当院ではその他に

鍼灸治療

・間葉系幹細胞を用いた治療(今回受講した治療)

も行っています。

 

 

歩きたがらない、背中を触ると痛がるといった症状がみられた場合は、お気軽にご相談ください。

記事一覧|2023年2月

ページトップへ