バークレー便り
こんにちは!
2021年もあと少しですね!
先日見た「2021年に発見された動物&解明された新事実」のニュースを3つご紹介します。
世界最小の爬虫類が発見される
2021年2月に、マダガスカル島北部の熱帯雨林で新種のカメレオンが見つかったことが発表されました。
その名は「Brookesia nana」
頭部と胴を合わせた長さはオスが13.5ミリ、メスが19.2ミリで、ヒマワリの種ほどの大きさです。
PHOTOGRAPH BY FRANK GLAW, ZOOLOGISCHE STAATSSAMMLUNG MÜNCHEN(by National Geographic)
あまりに小さいので、落ち葉の中に潜むダニなどをエサにしているのではないかと考えられています。
今のところ、Brookesia nanaはまだオス1体、メス1体の合計2体しか見つかっていないそうです!
しかし、喜ばしいことだけではありません。
この地域では貧困と人口増加により、農地や家畜の場所を確保するために熱帯雨林の伐採が進んでいます。
マダガスカルでは以前森だった場所の約94%に森林破壊の影響が及んでおり、このカメレオンも絶滅の危機に瀕しています。
牙を持たないゾウが増加
一般に、牙がないゾウが生まれるのは、アフリカゾウのメスのわずか約2~4%とされています。
そんな中、ゴロンゴーザ国立公園(アフリカのモザンビーク)では、1992年以降に生まれた若いメスのゾウの3分の1は牙が生えていないそうです。
PHOTOGRAPH BY JEN GUYTON(by National Geographic)
その背景には悲しい現実があります。
1977年から1992年までモザンビークでは内戦が起こっており、人だけでなく、アフリカゾウにとっても過酷なものでした。
ゴロンゴーザ国立公園では、ゾウの90%以上が象牙目当てに殺害されたとされています。
密猟者に殺害される可能性を低くするため、ゾウの一部が牙のないゾウに進化していったのです。
2021年10月の学術誌「Science」に発表された論文によれば、こうしたゾウでは、正常な牙の成長を促す遺伝子に変異が見られたそうです。
牙無しというハンディキャップが個々のゾウや、コミュニティ全体にどのような影響をもたらしていくか気になるところです。
不思議なのは、牙が無いゾウはメスにばかり不釣り合いに多く起こっています。
オスに牙がなければ、メスを巡る争いに勝てないからだとも言われていますが、生物の進化は非常に不思議だと感じます。
オウムにも文化?ごみ箱を開ける技術
オウムは多才で、人間の言葉をまねるだけではありません。
音楽に合わせて体を動かしたり、進んで仲間を助けることもできます。
最新の研究で明らかになったのは、オウムは新たな行動をオウム同士から学べるということです。
キバタン(オーストラリア東部の都市部でよく見られるオウム)は群れで暮らす騒々しい鳥で、その何羽かがゴミ箱を開ける方法を見つけ出したそう。
すると、他のキバタンもこの行動を真似て、新たな食料源を手に入れるようになりました。
動画はコチラから https://youtu.be/M2HGVdjYcpI
この発見は、オウムが「文化を持つ動物たちの仲間入りを果たした」ことを意味しています!
飼育下のオウムについてはよく研究されている一方で、野生のオウムの文化的行動を観察するのは難しいです。
非常に有益な調査だったと言えます。
今回3つの新発見についてご紹介しましたが、どの動物も人との関わりが非常に大きいことが分かりました。
日本では犬や猫などペットとの関わりが非常に大きく、人と関わる動物達が幸せに暮らしていける環境を作っていきたいなと感じました!