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院内セミナー実施「皮膚疾患向けシャンプー」

2019/11/27(水) いぬ院内セミナー

11月13日に皮膚疾患用のシャンプーセミナーを実施しました!

 

 

<皮膚病について>

動物保険会社の発表によると、

皮膚病は動物病院来院の病態理由として断トツTOPの病態です。

全体の24%が皮膚科疾患という報告もあります。

 

 

<皮膚の構造>

皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層で構成されており、

一般的に「肌」といわれているのは「表皮」のことです。

 

◆表皮の厚さ 人 0.2㎜  犬 0.05~0.1㎜(被毛部)

 

上記数字からもわかる通り、

ワンちゃんの皮膚は人に比べると、とってもデリケートな構造をしています。

 

また、冬期は乾燥に注意する必要があり、

皮膚の保湿がとても大事です。

そこで手軽にできるのがシャンプーです!

 

 

<シャンプー療法の目的>

①洗浄:異物や刺激物、フケ、皮脂を除去し、皮膚表面を清潔にする

②症状を抑える効果:抗脂漏、抗掻痒、抗炎症、抗菌、抗真菌、ターンオーバー正常化など

 

→シャンプーは皮膚を洗浄して、皮膚のバリア機能を改善するサポートをしてくれます!

 

 

<どんな症状に使う?>

1.アトピー性皮膚炎

~好発犬種~

シーズー、柴犬、フレンチブルドッグ、マルチーズ、ゴールデンレトリバーなど

 

~特徴~

①アレルギーを起こしやすい体質

②環境因子(ハウスダストなど)などに対して過敏に反応

⓷慢性的なかゆみと炎症が起こる

⓸アレルギー皮膚炎の1つ

→体質なので完治は不可能=一生付き合っていくことを目標とする

 

 

2.脂漏症

~好発犬種~

シーズー、シェルティー、ダックスフントなど

 

~特徴~

①あぶら症とフケ症を含む慢性疾患

②原因は先天性(遺伝的要因)と後天性(病原体の過増殖、内分泌疾患など)の2つ

⓷油性脂漏症(あぶらっぽい皮膚・被毛・フケ)、乾性脂漏症(乾燥した皮膚・被毛・フケ)、脂漏性皮膚炎(部分的な脱毛・炎症)の3症状がある

 

 

3.膿皮症

~特徴~

①細菌による皮膚炎

②常在菌の過増殖により起こる

⓷基礎疾患(アトピー性皮膚炎など)がないか考える

 

など皮膚病と言っても、実は様々な皮膚病があり、症状によって使うシャンプー剤も異なります。

適切なシャンプーで正しいシャンプーを行うことが大事です!

 

 

<シャンプー療法>

病態にもよりますが、

以下流れで、まずは2週間のシャンプー療法を実施しましょう!

 

~STEP1 準備~

皮膚を傷つけないようにやさしくブラッシング、毛玉は切っておく、皴の間や指間の汚れをぬぐっておく

 

~STEP2 からだを濡らす~

5分くらいかけて、お湯の温度は30℃くらい

 

~STEP3 プレシャンプー~

本洗いのシャンプーをしやすくするため(汚れがひどい場合)

 

~STEP4 本シャンプー~

シャンプー成分を皮膚に密着させ角質まで浸透させる、馴染ませてから10分くらいおく

※泡立てネットなどでシャンプーを泡立てて使用すると尚よい

 

~STEP5 すすぎ~

余分なシャンプー成分や汚れを除去、5ふんくらいかけて、お湯の温度は30℃くらい

 

~STEP6 保湿~

シャンプー後は皮脂が失われるため、乾燥予防として

 

~STEP7 タオルドライ~

トントンとタオルの上からたたくように、冷風~弱温のドライヤー併用(体から離して短時間で)

 

 

「家でのシャンプーは大変。。。」

という飼い主様は、当院のトリマーによるシャンプー療法実施も可能です。

お気軽にご相談ください!

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