バークレー便り
11月13日に皮膚疾患用のシャンプーセミナーを実施しました!
<皮膚病について>
動物保険会社の発表によると、
皮膚病は動物病院来院の病態理由として断トツTOPの病態です。
全体の24%が皮膚科疾患という報告もあります。
<皮膚の構造>
皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層で構成されており、
一般的に「肌」といわれているのは「表皮」のことです。
◆表皮の厚さ 人 0.2㎜ 犬 0.05~0.1㎜(被毛部)
上記数字からもわかる通り、
ワンちゃんの皮膚は人に比べると、とってもデリケートな構造をしています。
また、冬期は乾燥に注意する必要があり、
皮膚の保湿がとても大事です。
そこで手軽にできるのがシャンプーです!
<シャンプー療法の目的>
①洗浄:異物や刺激物、フケ、皮脂を除去し、皮膚表面を清潔にする
②症状を抑える効果:抗脂漏、抗掻痒、抗炎症、抗菌、抗真菌、ターンオーバー正常化など
→シャンプーは皮膚を洗浄して、皮膚のバリア機能を改善するサポートをしてくれます!
<どんな症状に使う?>
1.アトピー性皮膚炎
~好発犬種~
シーズー、柴犬、フレンチブルドッグ、マルチーズ、ゴールデンレトリバーなど
~特徴~
①アレルギーを起こしやすい体質
②環境因子(ハウスダストなど)などに対して過敏に反応
⓷慢性的なかゆみと炎症が起こる
⓸アレルギー皮膚炎の1つ
→体質なので完治は不可能=一生付き合っていくことを目標とする
2.脂漏症
~好発犬種~
シーズー、シェルティー、ダックスフントなど
~特徴~
①あぶら症とフケ症を含む慢性疾患
②原因は先天性(遺伝的要因)と後天性(病原体の過増殖、内分泌疾患など)の2つ
⓷油性脂漏症(あぶらっぽい皮膚・被毛・フケ)、乾性脂漏症(乾燥した皮膚・被毛・フケ)、脂漏性皮膚炎(部分的な脱毛・炎症)の3症状がある
3.膿皮症
~特徴~
①細菌による皮膚炎
②常在菌の過増殖により起こる
⓷基礎疾患(アトピー性皮膚炎など)がないか考える
など皮膚病と言っても、実は様々な皮膚病があり、症状によって使うシャンプー剤も異なります。
適切なシャンプーで正しいシャンプーを行うことが大事です!
<シャンプー療法>
病態にもよりますが、
以下流れで、まずは2週間のシャンプー療法を実施しましょう!
~STEP1 準備~
皮膚を傷つけないようにやさしくブラッシング、毛玉は切っておく、皴の間や指間の汚れをぬぐっておく
~STEP2 からだを濡らす~
5分くらいかけて、お湯の温度は30℃くらい
~STEP3 プレシャンプー~
本洗いのシャンプーをしやすくするため(汚れがひどい場合)
~STEP4 本シャンプー~
シャンプー成分を皮膚に密着させ角質まで浸透させる、馴染ませてから10分くらいおく
※泡立てネットなどでシャンプーを泡立てて使用すると尚よい
~STEP5 すすぎ~
余分なシャンプー成分や汚れを除去、5ふんくらいかけて、お湯の温度は30℃くらい
~STEP6 保湿~
シャンプー後は皮脂が失われるため、乾燥予防として
~STEP7 タオルドライ~
トントンとタオルの上からたたくように、冷風~弱温のドライヤー併用(体から離して短時間で)
「家でのシャンプーは大変。。。」
という飼い主様は、当院のトリマーによるシャンプー療法実施も可能です。
お気軽にご相談ください!