バークレー便り
10月18日に循環器の院内セミナーを実施しました。
講師は当院に循環器外来として来てくださっている見上先生です!
テーマは「肺高血圧症の症例」についてです。
人医療の大学での情報も教えて頂き大変興味深い内容となりました。
とても楽しい時間を過ごせました。
<肺高血圧症って?>
血液の流れはご存知ですか?
心臓から動脈を通って全身に行き、
全身から静脈を通って心臓へと戻ってきます。
その後、心臓から肺動脈を取って肺へと送られ、
肺から肺静脈を通って酸素を受け取り、心臓へと戻り、
動脈を取って再び全身へと送り出されます。
肺に繋がる肺動脈の血圧が高い状態を肺高血圧といいます。
人で良く言われる高血圧とは、
末梢血管の血圧が高い状態で全身性高血圧のことです。
肺高血圧症には呼吸器や心臓の疾患など様々な原因がありますが、
ワンちゃんが罹りやすい心臓病の「僧帽弁閉鎖不全症」が原因のことも多いです。
主な症状は以下です。
・元気がなくなる
・食欲がなくなる
・疲れやすくなる
・咳/呼吸困難
・失神
・チアノーゼ(舌などの粘膜が青紫色になる)
・腹水が溜まる
<肺高血圧症を診断するには?>
診断をするためには、以下の検査を必要に応じて行い、
総合的に判断していきます。
・身体検査(聴診など)
・胸部レントゲン検査
・心臓エコー(超音波)検査
・CT検査
<肺高血圧症の治療は?>
肺血管の血圧を下降させる治療と、
肺高血圧を引き起こしている原因疾患(僧帽弁閉鎖不全症など)の治療を同時に行っていきます。
治療効果の判定のために、定期的な検査も必要となってきます。
ただし、肺高血圧症は心疾患や呼吸器疾患の末期的な状態で引き起こされるため、
一般的に予後は悪いと言われています。
そのため、肺高血圧症になる前に原因となる疾患を治療していくことが何よりも大切です。
愛犬・愛猫が少しでも変だなと思ったら、
すぐに動物病院に相談することをお勧めします。
当院の循環器外来についてはコチラから
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