バークレー便り
「うちの愛犬は自分の言葉を理解してくれている」と飼い主さんは思うかもしれません。
しかし、実は単語を正確に聞き取っているわけではないという調査結果が
ハンガリーのエトベシュ・ロラーンド大学の研究チームによって発表されました。
ワンちゃんは「人間のような」聴覚能力を持っているものの、
人間のように単語と単語の微妙な違いを聞き分けることはできないと研究チームは解説しています。
研究成果は英国王立協会が発行している学術雑誌『Royal Society OpenScience』に掲載されています。
実験方法
実験の方法としては、
ワンちゃんの頭に電極を貼り付けて脳波を測定し、脳の活動を調べました。
photo by Vivien Reicher
実験では録音した音声を再生して、
①ワンちゃんが覚えている「sit(お座り)」などの指示言葉
②「sut」のように発音が似ていて意味のない単語
③「bep」のように全く発音が異なる意味のない単語
を聞かせて反応を調べました。
実験結果
その結果、
①ワンちゃんが覚えている指示言葉 と ③発音が全く異なる意味のない単語
では脳の活動が異なり、
違いをはっきりと聞き分けられることが分かりました。
しかし、
①ワンちゃんが覚えている指示言葉 と ②発音が似ていて意味のない単語
との違いは認識せず、
自分が覚えている指示言葉と同じ単語として処理していました。
「犬は発話された全ての音声に注意を払っているわけではなさそうだ」
「普通の犬が一生のうちに学習できるのは、少数の指示言葉にとどまる」
と研究者は解説しています。
とは言え、人の言葉を学習しているワンちゃんはお利口さんですね!
愛犬との信頼関係構築のためにもたくさん話しかけてあげて下さい!