バークレー便り
街角でたまに野良猫を見かけるかもしれません。
野良猫は一見すると自由気ままに暮らしているように感じられますが、
非常に過酷な生活を強いられています。
一般的に家の中で飼われている猫ちゃんの平均寿命は15年ほど。
一方で野良猫は3~4年ほどと短いものなのです。
その理由を是非知ってください。
①大人になること自体が大変
野良猫も最初は子猫です。
子猫は寒さに弱いので冬を越せずに死んでしまうことがとても多いです。
親猫とはぐれてしまうことも多く、
そうなると生きていける確率はさらに下がってしまいます。
②交通事故に合うリスクが高い
交通事故に合って命を落としてしまう野良猫はとても多いです。
また、寒い時期になると暖かさを求めて車のエンジンの中に入り込んでしまう野良猫もいます。
猫ちゃんがいることに気付かず、
エンジンをかけて巻き込まれてしまう危険性もあります。
③猫同士の縄張り争いに巻き込まれる
野良猫は自分の縄張りやテリトリーを確保することはとても大事なことです。
縄張り争いによる喧嘩でケガをしたり、
病気を移されたりと、
それが原因で弱ってしまい死んでしまうこともあります。
④必要な栄養の確保が難しい
外の世界でご飯を毎日確保するのはとても難しいので、
野良猫は基本的に栄養が不足してしまっています。
常にお腹を空かせている状態で、
新鮮な水さえも確保するのが難しいのです。
⑤病気にかかりやすい
慢性的に栄養不足なため、
免疫は下がり、
細菌感染など病気になり易い状態です。
また、野良猫は猫エイズや猫白血病に感染していることも多く、
野良猫同士の喧嘩や交尾によって感染が広がってしまいます。
さらにノミ・マダニ・回虫といった寄生虫がいることも多いです。
⑥計り知れないストレス
野良猫は安心できる家がありません。
常に危険にさらされて生きていかなくてはいけません。
危険な空間の中でもなんとか睡眠を取らなくてはならないし、
ご飯だって確保しなければいけません。
心休まる時間は、ほとんどないでしょう。
このように、野良猫は大変過酷な環境の中で暮らしています。
最近は「地域ねこ」という形で、
地域住民の方が野良猫のお世話をしてくれているケースも増えてきました。
当院でも、望まれない繁殖を防ぐため、
野良猫の避妊・去勢手術を特別価格で実施しています。
色々な方が、色々な方法で、
不幸な猫ちゃんを減らしていけると良いなと、
動物好きの一人として考えています。