症例日誌|加古川 バークレー動物病院

犬がかかりやすい病気

膝蓋骨脱臼の新術式

院長の山本です。

 

先日、大阪で開催された整形外科の研修に参加し、

「膝蓋骨脱臼」の最新術式を学びました。

 

ただ講義を聞くだけでなく、模型を使った実技もあり、

大変ためになるセミナーでした!

 

今回の術式には、日本では手に入らない機材が必要となります。

イギリスから機材を輸入し、おそらく日本初の術式です!

 

手術後のレントゲン写真です。

術式の説明は本ブログの下部に記載しています。

 

 

<膝蓋骨脱臼とは>

 

膝には膝蓋骨(しつがいこつ)という骨があります。

この膝蓋骨が正しい位置から外れてしまうことを膝蓋骨脱臼といいます。

 

通常、膝蓋骨は大腿骨(だいたいこつ)にある溝に収まるようになっています。

 

そして、膝蓋骨は靭帯に支えられているため、通常脱臼することはありません。

※赤丸で囲ったものが膝蓋骨です

 

しかし、小型犬は大腿骨の溝が浅いなどの理由から、

先天的に膝蓋骨がこの溝から外れやすく、

多くは内側に外れます(膝蓋骨内方脱臼)。

また、事故などにより脱臼することもあります。

 

手術が適応な場合と、

手術をしなくても治るのかを見極める必要があります。

 

膝蓋骨脱臼はグレード1~4に分かれており、

その子の年齢、症状がいつから出ているのか、性格などの情報と、

触診やレントゲン検査による適切な診断が重要です。

 

 

<どんな症状?>

□ 跛行(重症度によって様々):歩くときにうまく体重を支えられず、足を引きずって歩くこと 

□ スキップをするように歩く

□ 脚を上げている          

□ 段差やジャンプを躊躇する

□ 膝関節の曲げ伸ばしを繰り返す(膝蓋骨を自力で整復しようとしている)  

など

 

 

<手術法は?>

多くの場合は関節切除を行います。

溝が浅いことで膝蓋骨の脱臼が起こるため、骨を削ることで溝を深くするという方法です。

 

今回は、大腿骨を削るのではなく、プレートを付けることで溝の壁を高くしてあげます。

基本的には内側に脱臼することが多いため、脱臼する内側にのみプレートを取り付けます。

 

~この術式のメリットは~

 

①手術時間の短縮が可能

通常は1時間半くらいかかる手術ですが、

今回の術式を用いると40分ほどで手術が終わります。

手術時間・麻酔時間が短いことで、ワンちゃんの体の負担も少なく済みます。

 

②術後の痛みが少ない

大腿骨を削らずにボルトで固定するだけなので、

術後のワンちゃんの痛みが少なく済みます。

実際に今回手術をした子は、翌日には手術した脚を地面に付けていました。

 

③非常に簡単

通常の手術では技術が求められますが、今回の術式は非常に簡単です。

残念ながら、手術には多少なりとも失敗するリスクはありますが、そのリスクが少なくなります。

※もちろん通常の術式経験も豊富ですので、安心してお任せください!

 

 

今後も最新の術式を学んでいきます!

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