バークレー便り

院長 山本晃輝 自己紹介はこちら

第4回CT院内セミナーを実施しました!

2019/07/19(金) 院内セミナー

7月18日(木)に第4回CTセミナーを実施しました。

講師は第1回~3回で丁寧にご指導いただいているCTのスペシャリスト米地先生です。

 

第1回のセミナー報告はコチラから。

第2回のセミナー報告はコチラから。

第3回のセミナー報告はコチラから。

 

〜テーマ〜

CTによる門脈体循環シャントの診断  

 

 

〜講師〜

奈良動物二次診療クリニック

  米地 謙介 先生

 

今回は「門脈体循環シャント」という病気に特化してセミナーをしていただきました。

 

 

<門脈体循環シャントとは?>

 

本来肝臓に入るべき胃腸からの血液が、

「シャント」と呼ばれる異常な血管を経由して、

解毒されないまま全身を巡ってしまうことです。

 

胃腸からの血液にはアンモニアなど数多くの毒素が含まれており、

肝臓が身体に害となる毒素の解毒を行っています。

 

正常であれば、胃腸からの血液は『門脈』という血管を通じて肝臓内に入り、

そこで解毒を受けて全身を巡る血液循環(=体循環)に合流します。

 

門脈から体循環につながる血管に近道(=シャント)ができてしまっているため、

解毒を受けていない血液がそのまま体循環に混入してしまいます。

 

その結果、有害な物質が体の各所に届くようになり、様々な弊害を生み出します。

また同時に、肝臓が栄養失調に陥って小さく萎縮してしまいます。

この状態が「門脈体循環シャント」です。

 

〜門脈体循環シャントの主な症状〜

 

・肝性脳症に伴う異常行動

・食欲不振

・尿結石

・血尿

・1回の尿量が少ない

・おしっこの回数が多い

・尿酸アンモニウム血症

 

CT検査は『門脈体循環シャント』の確定診断やシャントの位置診断をする上で、

非常に診断精度の高い検査です。

 

オペ適応の門脈シャントの場合は、

シャントの位置診断が正確なためオペ時間の短縮にも繋がります。

 

門脈シャントがよく見られる犬種は

◆シェルティ

◆ミニチュア

◆シュナウザー

◆ヨークシャー・テリア

◆シーズー

◆ラブラドール・レトリーバー

などです。

 

これらの犬種の多くは先天性の異常が原因で、

若いうちに発症するケースがしばしば見られます。

 

日々の変化に敏感に気付いてあげる、定期検診をするなど心掛けてあげてください!!

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