バークレー便り

獣医師 甲斐達雄 自己紹介はこちら

半世紀前の思い出

2013/12/08(日) いぬ

ワンちゃんの尿の沈渣を顕微鏡で検査していると視野に血球、尿路系の上皮細胞、

結石の原因になる結晶等に混じって精子が出現する時がある。

精子といえば今を去る半世紀前の獣医学生のころ、卒業論文のため毎日精子と

向かいあっていた頃を思い出す。

当時大学の付属農場で飼っていた大きなオス豚から人口膣筒を使って精子を

採取し、牛の頚静脈からは血清用の血液を採取する日々を送っていた。

その精子に牛の血清を加えると精子の運動がストップする。血清のどの成分が

精子の活動に影響を及ぼすのか、濾紙電気泳動を使って研究していた。

結局結論にはいたらなかったが、オス豚が擬雌台上で人口膣筒に射精する時の

満足そうな表情を今でも鮮明に思い出す。

 

参考までに精液量は豚(250cc)、馬(50cc)、牛(10cc)

ビーグル犬(2cc)、猫(0.23cc)と言われている。

ちなみに哺乳類の精子の大きさは動物の大小にかかわらずほとんど同じで

象でも猫ちゃんでも大きさは(40μ~70μ)です。

魚類、両生類、鳥類の方が大きい。

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